当舗は安政4年(1857)の創業で、江戸、明治、大正、昭和、平成、令和と六代にわたり、高崎市本町の中山道沿いにて茶業一筋の歴史を刻んでおります。
水村園の店舗正面は、昭和34年の国道354号(旧中山道)拡幅事業により取り壊され、売り場自体は改築されていますが、 売り場の後方では、奥行きの深い、 細長い町屋特有の敷地に、 中央を路地にして、 六棟の蔵が連なるように建てられています。
それぞれの建築年代は江戸、明治、大正、昭和とあり、土蔵、煉瓦など、技法と材質を異にして、老舗に相応しい見応えのある景観をしています。 ことに、隣地から眺められる瓦屋根の件まいは、狭さや細長さを逆手に、密集したリズム感のある素晴らしい美しさに溢れています。
国の登録文化財
住宅、蔵六棟は、平成12年、国登録有形文化財に指定されています。
レンガ三面
煉瓦蔵や隣家との塀の一部の煉瓦には、 フランス積(湯殿)、 イギリス積(レンガ蔵)、 といった異なる煉瓦積技法が用いられて、見所になっています。
フランス積(写真:正面)は、 世界文化遺産「富岡製糸場」 でも採用されていて、珍しい積み方です。
高崎で最初の水栓柱
また、当舗の中庭に敷設されている水栓柱は、高崎市の最も古い水栓柱の一つとされ、明治から現在までずっと使用しています。
明治21年に大橋町の長野堰から取水して、高崎の最初の水道ができました。
しかし浄水施設は不完全で水は濁り、小魚やミミズが出たといいます。
明治33年、高崎市が誕生。
榛名町の烏川より取水して剣崎の浄水場が完成し、明治43年11月高崎の町に本格的な水道の給水が始まりました。
この水栓柱はその時のもので、1世紀近く過ぎた今も毎日使用されています。
日本最古の茶葉
土蔵の茶箱に保管されている茶葉(明治14年産)は、日本に現存する最古の茶葉と認定され、TBSテレビ「世界ふしぎ発見」、テレビ東京「空から日本を見てみよう」など、テレビ、雑誌など各メディアで紹介されています。
昭和初期の配達箱(写真:左)と、日本最古の茶葉(写真:右)。
創業より伝わる錫の茶壷
錫茶壺 正喜撰(水村園蔵)
正喜撰(あるいは上喜撰)は、緑茶の銘柄。
「泰平の眠りを覚ます正喜撰たった四杯で夜も寝られず」
1853年、ペリーによる浦賀来航とかけたもの。
当舗は、高崎市の町めぐり見学コースです。
店内では写真展やいろいろな企画展示を行っております(不定期)。
小さな空間ですが、ご希望の方の相談に応じます。
茶舗 水村園
〒370-0813群馬県高崎市本町123
TEL : 027-322-3213
FAX : 027-322-9355
E-mail : teatakasaki@gmail.com